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ANTHOLOGY

スナップは時代の目撃行為だ。

今ここに北河街街市。

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'12年3月、2度目の香港に行った。

初めて香港に行ったのは確か'06年。
その時はなんの考えもなしに香港に行き、帰国後に星野博美さんの「転がる香港に苔は生えない」を読んだ。

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その時になんで最初にこの本を読んでから香港に行かなかったのだろうと、凄く後悔をして。
いつか必ず香港の地に戻ろうと強く決心をした。

2度目の時は凄くネガティブな気持ちで香港に行った。

 '05年から撮り始めた写真、ストリート・スナップだったけど。
それまで色彩鮮やかに見えてた街が急に色褪せて、自分の視点が定まらなくなった。
もう写真を撮るのは辞めよう、最後にもう一回香港に行ってそれで写真を辞めよう。
そう思ってた。

その時はペンタックスのK5と言うデジタル一眼レフを持って行き、なんとなくビクトリア湾を九龍と中環を行ったり来たりしてた。

段々と自分の気持ちが高揚し始めて、なんでこの旅は一眼レフを持ってきてしまったんだろう?
街を撮るなら絶対にレンジファインダー・カメラだろう?
そう自問自答をして、それでも一眼レフを振り回してた。

その足で深水歩に行き、鴨寮街をうろついた。

人々の姿を見ながら、街をうろつく。

今、ここに北河街街市が目の前にある。

ここがあの鴨寮街、そして北河街街市。
興味深げに見る私の姿は、ローカルの人々の目には映らない。
悲しい生い立ちを持つ香港の街、そして政治から逃げて来た人々を抱える香港の街。
他人の姿に目をやってる暇は、彼らには無いのかも知れない。
自分が今、生きて行くのに精一杯なのかも知れない。
私の姿は彼らの目には映らない。

それはスナップするには返って好都合。
北河街街市の中に入って行き、無心に写真を撮った。

あの本の中の世界に自分が居る。

でも、やはり一眼レフの写真はスナップには適していない。
なんとなく自分の心から写真が乖離している。
これはきっとまだ写真を撮り続けるしかない。
もう一回香港に来るしかない。

次は絶対にレンジファインダー・カメラを持って来る。
だからその時まで写真を撮り続ける。

そんな決意を新たにした香港。深水歩。

今は自分の表現を改めたから、絶対に次はもっといい写真を撮る。

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